2015/08/27

サガン鳥栖×横浜F・マリノス - 修正の見えたサイド攻撃と俊輔トップ下

2015/8/22 鳥栖 1-2 横浜FM

得点者:谷口(鳥栖)、伊藤(横浜FM)、ファビオ(横浜FM)
(Jリーグ公式へのリンク)
(下から上に攻撃(水色)がホームの鳥栖)

○試合の見どころ

ひたすら勝てなかったマリノス。
ここで勝てなかったらどこに勝つという気持ちで臨んだ清水戦で敗戦。
しかし、代表ウィーク明けにまさかの2連勝。
ここで一気に勢いに乗るために連勝を伸ばして、俊輔と優勝するための希望をつかめるか。
一方、勝ったり負けたり分けたりの鳥栖。
ただし、地味にホームで5/20以降勝てないのが続いている。
そろそろ勝ちたい鳥栖。


○横浜の攻撃 - ついに出たSBの活用

結果的に逆転勝ちという結果にはなったし、危ないシーンもたくさんあったけど、
マリノスは、ボールをコントロールし、能動的にボールをゴール前に運べていた。
もちろん受動的にゴールを狙うことが悪いとは言わないけど、
再現性をもってゴール前に迫れていたのはマリノスの方だと思う。
そういう意味で、個人的には結果にあらわれている以上にマリノスの勝ち。

望んでいたSBを絡めてのビルドアップが見られた。
この試合については、この1部分だけの振り返りだけでよいかと。
マリノスがCBがボールを保持したときの形を、いままでとこの試合で比較するとこんな感じ。
左がいままで、右が今回。
違いはSBの位置とCBの開き具合。


いままでのマリノスはCBをひらかせてFWのプレッシングを回避する作戦を取っていた。
しかしこの形の場合、ファビオと中澤に攻撃の起点をお願いする事になる。
もちろん、本人らなりに進化はしてるんだけど、なかなか形にならなかった。
一方、マリノスはSBが優秀。
両サイドともにかなり高いレベルのSBをそろえているのはマリノスの強みのはず。
それをうまくつかわないことに長いこと不満だった。
けど、ついに修正されましたよというお話。


相手が442の場合、2トップの両脇が空く。
そのスペースをSBが活用しましょうという話。
この陣形から発生していた形は以下。
SBにボールを渡す。
→相手SMFが(しょうがなく)プレッシングにいく
→その空いたスペースにWGが下がって、相手SBもついてくる。
→その空いたスペースにトップ下の俊輔が"サイドの3人目"として流れる


もちろん、対策もありえて
「SBをほっとく」とか「SBが持つ前にマークについてCBに蹴らせる」という対策もあるけど、
それに対する対応も作ってあった。
SBがほっておかれたら、相手SMFと相手SMFの間に位置したWGにパスを通す。
出し手にプレッシングがかかっていないので、裏取られるのをおそれてSBは前に出にくいので、
わりと簡単にこの位置でボールをもらえる。
そうなると、ここでボールを持つのが齋藤学やアデミウソンなのだからそれだけで十分脅威。
(もちろん場合によってはSBからDMFというパスルートもありえる)
SBにマークつかれた場合でも、はじめのパターンとやることは基本的に同じ。
広いスペースがあるから難易度も低いし、リスクも少ないしで、CBが直接トップ下にボールを蹴る。

そして、これら全部できなかったら、無理せず「前線に放り込む」

むっちゃ再現性が高かったので、狙ってやっていたと思われる。
こんな感じで、対策に対する対応までもしっかり準備されているように思えた。
いつの間に・・・


CBによるビルドアップの場合、CBが出し手として不十分なところがあるため、
トップ下の俊輔が出し手となるためにボールをもらいに下がる場合が多かった。
そしてその場合、前線でFWが孤立するというのがマリノスの問題としてずーーーっとあった。
それを問題視したのが現監督で、トップ下が前線近くにいることを要求し、
そのためか俊輔はスタメン落ちするようになっていた。

しかしこの試合では、「日本有数の両SBを有効活用」し
「トップ下の俊輔が下がらずにボールの受ける方法を用意」されていた。
2つの悩みを同時に解決!!!

これがいつまで通用するかわからないけど、
個人的にはすごく手ごたえを感じた会心の試合でしたよ。


○本日のまとめ

次節、浦和戦。
5バックに同じことは通用しないのでどうするか。
広島戦からミシャ式対策の進化はあるのか。
モンバエルツの手腕が問われる。


○本日のおことば

 「サイドの3人目」

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