2015/08/07

日本代表×韓国代表 - ハリルホジッチの計算結果とは?

2015/8/5 日本代表 1-1 韓国代表

得点者:チャン・ヒョンス(韓国)、山口(日本)
(JFA公式へのリンク)
(下から上に攻撃(青)が日本代表)

○試合の見どころ

北朝鮮代表に敗戦となった日本代表。
お次の相手は韓国代表。
一戦目を見たハリルホジッチはどういう計算をしてきたか。


○日本の守備 - ハリルホジッチの諦め

日本は前の試合は4231にしていたが、今回は藤田を中盤の底に置いた4141。
柏木の代わりに追加召集をした藤田が中盤の底なら、
スクランブル体制として選んだ布陣をにおわせる。

韓国はCBが広めに開きつつ、DMF二枚のどちらかが下がったりしながら、
CB2枚+DMF2枚の4枚で前進する。
対する日本は興梠のワントップであり、プレッシングをしても無駄だし、
ハーフライン付近までは前進を許す。
前プレ発動しがちなのが日本の芸なので、多分監督の指示。
ただし、どこまでも放っておくわけにもいかず、相手DMFが持ったときに、
DMFがプレッシングをかける。
この瞬間を常に韓国は狙っている。
狙っているのはプレッシングをかけたDMFの裏。
トップ下が入り込み裏のスペースを狙う。
韓国はバックラインでのパス回しはひたすらこの瞬間を狙っている感じだし、
選手交代があっても再現していたので、
この形はむっちゃ練習している。

これに対応する日本。
このために中盤の底に藤田がいる。
442なら、「CBのどちらかがチェック」とか「プレッシングと連動して中盤が絞る」とか必要だけど
4141なら対応が簡単。
ハリルホジッチは日本代表のメンバーにそれができない判断して、
藤田を中盤の底に置く布陣をしたのではないかと。
韓国の試合を見てパターンを見つけ、
現有戦力でパターンに対応する方法として選択した布陣だと僕は解釈しております。

ちなみに韓国はもう一個パターンがある。
WGが絞って同じ場所を狙う。
この場合、トップ下には藤田がついており、チェックにいけない。
しかもSBがあけたスペースに走りこむおまけつき。
日本はこれをやられると結構厳しかったけど、
これはあまり回数は見られなかったので、練習途中とかなのでしょうか。


○日本の攻撃 - ハリルホジッチのもう一つの諦め

おそらく攻撃に関しては、時間の都合なのか、何も手を入れてないように思われる。
日本の攻撃はCBが持ったときは藤田が下がって相手ツートップと3対2を形成。
 
しかし、プレッシングを回避できないのか前進できない。
とにかく出しどころを探しているけど、みんな捕まってる。
柴崎が下がったりSBが下がったりしていたけど、
むしろ狭くなり、むしろ出しどころを失うような感じ。

CBが持ち上がる展開は何回か見れたけど、再現性はなさげ。
せっかく足技のうまいGK西川なのに、GK使ってプレッシングを回避する姿勢も見せない。
トップに競り合いの強い選手がいるわけでもないのに、ゴールキックはロングキック。

これらから考えて、監督は攻撃に手を加えてないんじゃないかと。
もはや、相手がセットした状態からの得点は考えていないというのが僕の解釈。
これはこれでハリルホジッチの諦めのひとつ。


○本日のまとめ - ハリルホジッチの計算結果とは?

・守備について
44の2ラインで守ることもプレッシングを連動させることも現段階では不可能。
 → 4141にして、スカスカの中盤のフィルタリングをアンカーで帳尻あわせ。
・攻撃について
守備の建て直しで精一杯で、攻撃をコーディネートする暇が無い。
しかも日本人は共通の文法を持たない。
 → 静観。蹴っ飛ばしてとにかく前進するのがせいぜい。
・得点の取り方について
共通の文法を持たない日本人ではあるが、テクニックと瞬間の判断には優れている。
 → 相手が完全にセットしていない中では、先手を打った攻撃をすることができる。
 → 守攻の切り替えで得点を狙おう。
 → そのために両サイドに速い選手をおいて、局面で人数が揃うようにしよう。

僕はハリルホジッチ監督を好意的に見ているので、こういう解釈をしました。

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